2010年7月29日木曜日

よく噛んで食べなさい!

私どものクリニックでは、全ての患者さんに口を酸っぱくして”よく噛んで食べてください”といいます。これほど効果的で、器具も何も必要としない健康法はありません。生涯続けることが出来れば、健康寿命が10年延びると言っても、言い過ぎではないかもしれません。健康を支える上で一番重要な土台は胃腸です。なぜなら、生まれてから死ぬまで、私達は、食べたものを血、肉、臓器、エネルギーに変換する事によって生かされています。胃腸はその過程において中心的役割を担うからです。

嚙むことによって物理的に食べた物を細かく砕くことができますし、唾液を十分混ぜ込むことによって事前消化を促進させることが出来ます(事前消化に関しては前に書いた記事を参照ください)。さらに、生の野菜や果物を食べる場合、よく嚙むことによって、植物の細胞膜を破りの中に入っている消化酵素を出してやることができるからです。

どこかにぶつけてしまったりんごが、翌日、へこんだ部分だけ柔らかく茶色になっているのを見たことがあると思いますが、それはりんごの細胞の中に入っていた消化酵素が、そのりんご自身を消化し始めたからです。

このように、りんごなどの生の野菜や果物をよく噛んで食べれば、勝手に自分で自分を分解し吸収されやすい状態になります、しかし熱で調理されていれば、酵素が失われてしまうため、消化に必要な酵素は全て体が分泌しなくてはならないのです。これが酵素の無駄使いなのです。

更に、人間は植物の細胞膜(繊維)を分解する酵素を持ち合わせていません。ですからよく噛んで細胞膜を破らない限り野菜や果物の栄養素と酵素を取り出すことが出来ません。生野菜は消化に悪いから食べないという人がいますが、よーく噛んで見てください。これまで経験したような、ガスがたまったり、お腹が痛くなるようなことはなくなるはずです。熱で調理された、たまねぎや豆類を食べた後とガスがたまりやすいのは酵素が全てなくなってしまっているからです。生のたまねぎや(少しだけ水にさらすと辛さがずいぶんましです)発芽させた生の豆を食べてみてください(もちろんよく噛んで)。そうすれば、ガスは全くといっていいほど出ません。注意していただきたいのは、生の種(シード)類、豆類、ナッツ類をそのまま食べるのは避けるようにしてください。なぜなら、それらには酵素を抑制する成分があるので、逆に消化を悪くしてしまいます。


Boosted and softened apples / Jinx!


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