2012年10月31日水曜日

飽和脂肪酸を怖がる必要は全くありません






飽和脂肪酸が心臓病を引き起こすというのは全くのウソ。上の表を見て下さい。飽和脂肪酸を多く摂るj国(緑の字)はそうでない国(赤い字)と比べると心臓病の数はずいぶん少ないんですよ。

飽和脂肪酸は心臓病を防ぐだけでなく、健康を保つ上で幾つも大切な働きをしています。

  1. ホルモンや細胞膜の原材料である。
  2. βカロチンがビタミンAに変換されるために不可欠。
  3. 各種ミネラルの吸収に不可欠。
  4. ビタミンA,D,E,Kの運搬に不可欠。
  5. 骨の形成の過程において飽和脂肪酸は不可欠。
  6. 肝臓をアルコールや薬のダメージから守る。
  7. 正常な肺機能に飽和脂肪酸は不可欠。
  8. 脳の大半は飽和脂肪酸である。
  9. 健全な免疫力維持に飽和脂肪酸は不可欠。
このような事実は生化学的に十分に理解されているのにもかかわらず、飽和脂肪酸だけではなく不飽和脂肪酸も含め脂肪に関する世間の情報はいちじるしく間違っており、混乱しています。
脂肪は3大栄養素の一つであり、脂肪は体の正常な機能になくてはならない栄養素であることを私達は忘れてはいけません。

低脂肪や無脂肪といったうたい文句がいかにも健康的な言葉のように使われているのも、誤解を招いている一つの原因でしょう。

油ものがもともと苦手な人や、歳をとるごとに油ものに興味がなくなったり、食べると気持ち悪くなったりするのは消化力が低下しているのが理由で脂質が悪いわけではありません。(当然、酸化した古い油で調理したものは気分が悪くなりますが・・・)。油ものが苦手だったり、避けている人、又は自覚症状がなく油ものは普通に食べていても消化吸収ができていない人、理由はどうであれ、脂質不足の人は乾燥肌であったり、血圧に問題があったり、不妊であったり、流産を繰り返したり、ホルモンバランスが悪かったりといろいろな問題が出てくる可能性があります。

特に女性は胆汁の流れが悪くなる傾向があるので、脂質の消化吸収が上手く出来ない人が多いですね。女性に多い慢性の肩こり、こめかみが痛む頭痛、めまい、抜け毛、手足の震えなどは油切れの典型的な症状です。心あたりがある人は、酵素で胆のうの流れと胃酸の分泌を改善し、消化力を向上させ、良質の油を恐れずにとることが重要です。

脂質が正常に消化吸収されエネルギーとして効率良く使うことが出来れば、太るどころか、エネルギーに満ち溢れ、脂肪をかえって燃やします。ちなみにカルニチンが脂肪燃焼に役立つのは、カルニチンは脂肪酸をミトコンドリアに誘導しエネルギーとして燃焼されるのを助けるためなのです。
また、ココナツオイルやバターに多く含まれる短鎖脂肪酸はカルチニンなしでもミトコンドリアに入っていくため脂肪燃焼には最適です。

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2012年10月22日月曜日

避けるべき食べ物 3 悪い油 その3



前回はトランス脂肪酸のことについて書きました。今回はシードオイルについて書きます。

いわゆる、サラダオイルといわれているもののほとんどはシードつまり種から搾り出した油です。
シードオイル自体は体に悪いわけではありません。昔は日本でも菜種油などのシードオイルは搾り出したものをすぐに使っていたので、酸化もしませんし、新鮮で栄養価の高いものでした。一方で今現在、食料品売り場で売られているほとんどのシードオイル(サラダオイル)は搾り出す過程で高い熱と圧力、それに溶剤を加えることによって、最後の一滴まで搾り出します。この野蛮なプロセスによって、油は痛めつけられ、栄養価を多く失ってしまうのです。

Flowchart for Edible Oil Processing

上の図はシードオイルの製造過程をあらわしたものです。植物油に多く含まれる不飽和脂肪酸は熱や酸素にさらされるとすぐに酸化してしまい、栄養価値を失ってしまいます。ですから、これだけのプロセスを経て出来上がるものは食べ物とは言いがたいものになってしまっているのです(まるで石油の精製過程のようですね)。

キ-ズの間違った研究結果(避けるべき食べ物 3 悪い油 その1を参照してください)により、飽和脂肪酸、特に動物性の油を避けることが奨励されるようになりました。その結果、植物性の油の消費量が健康によいということで劇的に伸びました。一般家庭でも、レストランに行っても揚げ物や炒め物はシードオイルで調理されていますし、ありとあらゆる加工食品はシードオイルを原材料とした加工油を使っています。しかし、その結果、心臓病は減ったでしょうか?そのようなことは全くありませんし、なるわけもないのです。

なぜなら、飽和脂肪酸が体に悪いという考え方自体が根拠のないでたらめだからです。

飽和脂肪酸の必要性については次回書くとして、今回はもう少し油の種類について説明しましょう。

油には必須脂肪酸といわれる、体内では作れないために、食べ物から摂らなくてはいけないタイプの油があります。リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、DHA,、EPAなど・・聞いたことがあると思います。それぞれに特徴があり、それぞれに役割があります。どのタイプも体にとって必要なのですが、バランスよく摂取する必要があります。特にアラキドン酸は過剰に摂取をすると炎症を引き起こしたり、免疫力を抑制することにつながります。つまり、心臓病や他の病気を引き起こすことに繋がります。

アラキドン酸を含む代表的な食材は動物性の脂です。しかし、(ここが重要なポイントです)牛肉や豚肉を食べることによってアラキドン酸の過剰摂取になることはまずありません。アラキドン酸の過剰摂取を引き起こしているのは実は、植物性の油(特にシードオイル)が原因なのです、シードオイルに含まれるのは、リノール酸やリノレン酸で、世間では体にいいといわれている油なのです、そして、それらの油はアラキドン酸を含みません。では、なぜ???

実はリノール酸やリノレン酸は体内でアラキドン酸に変化してしまうのです。すべてのリノール酸やリノレン酸がアラキドン酸に変換されるのではなく、血中インスリンが高い場合のみ起こる現象なのです。

具体的な例を挙げて説明しましょう。例えば、サラダ油で揚げた天ぷらや揚げ物を食べる時に、ご飯を食べ過ぎたり、揚げ物の周りについている小麦粉であったり、食後デザートを食べることなど、炭水化物を多く含むものを食べると血中にインスリンが大量に分泌されます。大量のインスリンとリノール酸やリノレン酸が同時に居合わせるとそれらの油ははアラキドン酸に変換され、炎症を引き起こしたり、免疫力を抑制することにつながります。

今日の話をまとめると、加工されたシードオイル(一般にはサラダオイルと呼ばれているもの)は本来の栄養素を失っているだけではなく、現代の一般的な炭水化物過剰な日本食と一緒に摂る事によってアラキドン酸に変換され、ありとあらゆる病気の根源となっています。

この話をするといつも「それではどんな油を使えばいいのですか?」という質問が当然ながらでてきます。

次回は健康のために摂取すべき油について説明します。

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2012年10月16日火曜日

避けるべき食べ物 3 悪い油 その2


今回はトランス脂肪酸のことについて書きます。

トランス脂肪酸は自然の油にも少量は含まれていますが、ここで取り上げているのは加工された植物油のなかに発生する人工的に作られたもののことです。一番よくわかる例はマーガリンやショートニングですね。これらの油はもともと植物油から出来ています。原材料となる植物油(常温で液体のもの)は植物の種を高い圧力、高温、人体に有毒な溶剤をつかって搾り出し、水素加工することによって科学的に固体にしたものです。大変臭いが悪いため、脱臭をし、色も灰色で食欲をそそるようなものではないため、ブリーチをかけて白くします。そこで出来上がったのがいわゆるショートニングです。それに色と味を付けたのがマーガリンです。作られる過程を知れば決して食べたいは思わないはずです。

何故そんなことをするかというと、原材料になる植物油は非常に安価であるということと、自然の油のように酸化しにくい(なかなか腐らない)という特徴があるため、加工食品にはもってこいなわけです。それをそこそこの値段で売るわけですから、企業にとっては利益が大きいのです。

前回の記事で述べたように、キーズ学者の間違った仮説により植物油だから、コレステロールが入っていないし、体にいい、と一般に考えられていますが、それは大きな間違いで、まさに百害あって一利なしとはこのことでしょう。

トランス脂肪酸が体によくないというのは、いまアメリカでは常識、私の住んでいるニューヨーク州ではレストランでのトランス脂肪酸の使用は禁止になっています。


トランス脂肪酸のいったい何がそんなに悪い???

われわれの体には約60兆個の細胞があるといわれていますが、それぞれの細胞には細胞膜があり、その細胞膜は脂質で形成されています。細胞膜は細胞間のコミュニケーションにおいて大変重要な役割を担っています。その細胞膜が人工的に作られた粗悪な物質で作られることによってありとあらゆる問題が発生します。いくつか例を挙げれば・・・

動脈硬化引き起こす。
悪玉コレステロールの増加
善玉コレステロールの減少

そのほか消化の過程において、トランス脂肪酸はアミノ酸の吸収を妨げます。
タンパク質が分解された状態がアミノ酸なわけですが、体の大半はアミノ酸を原材料としたタンパク質から出来ています。ですから、アミノ酸が吸収できなくなるということは、新しい細胞や組織を作ることが困難になるということです。どう考えても体にいいわけはありません。






上の図にあるように、左がCISという形で、常温で液体の植物油は水素(H)が二つとも同じサイドにいますが、TRANSは水素がお互いに違うサイドにいます。加工の過程で、水素の位置をCISからTRANSに変えられた油をトランス脂肪酸と呼ぶのです。自然に存在するトランス脂肪酸もあるのですが、体に害があるのは人工的に作ったもののみです。

CIS はUの字に曲がっているのに対し、TRANSはまっすぐであるのに気付くと思います。まっすぐな形の性質上隙間なく積み上げることができるので、常温で固体の形をとることができるのです。だからマーガリンはもともと常温で液状の植物油が固体になることができるのです。

問題は、人為的に変えられた部分を持つトランス脂肪酸は、いわば奇形であり、私たちの体を作るうえでは欠陥材料なのです。欠陥材料で作られた体は、当然欠陥が出てくるということなのです。

上で述べたように、日持ちをよくする特徴があるため、トランス脂肪酸はあらゆる加工食品に含まれています。パンやクッキーなどに含まれるショートニングもトランスファットですね。さくさくとした食感はトランス脂肪酸のおかげです。ちょっと悲しいけれど、ほどほどにしないとだめですね。

いまトランス脂肪酸が体に悪いということが一般に知られるようになったため、トランス脂肪酸をほとんど含まない加工食品が出始めています(アメリカではもうそれが主流になりつつあります)。
しかし、それに変わり、INTERESTERIFIED OILというものが使われています。このINTERESTERIFIED OILはトランス脂肪酸ではありませんが、人工的に操作された加工オイルに代わりはありません。まだ、その油の人体に及ぼす影響は明確になってはいませんが、恐らく、トランス脂肪酸と同じくらい、もしくはそれ以上に悪いのではないかと推測されています。

トランス脂肪酸が発明されてから100年以上経ちます。トランス脂肪酸が悪いとわかってから、一般的に認識が高まり、消費量が減少するまでに何十年もかかりました。企業自体はトランス脂肪酸が悪いことなどずっと前から知っていたはずです。ですが、世間が無知で、その商品によって利益がでるかぎり、売り続けるのです。悲しいかな・・・

INTERESTERIFIED OILが認識されマーケットからなくなるまでには、また長い年月がかかるのではないでしょうか。同じ失敗を繰り返さないことを願うだけです。


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2012年10月5日金曜日

避けるべき食べ物 3 悪い油 その1

「油物のとりすぎはいけない」とか「動物性脂肪は血管をつまらせる」などのコメントはいろいろな雑誌やテレビ、一般の医療機関でさえも常識のように言われているのではないでしょうか。しかし、これは真実からは遠くかけ離れたものであり、この間違った情報のために多くの方が健康を害しています。

まず、現在一般的に受け入れられている油に関する知識はどこから来たのか説明します。

1952年にアンセル キーズという人が発表した学術論文で脂肪の摂取量が多ければ多いほど心臓病にかかりやすくなるという研究結果が世に出回ったのが始まりです。しかし、この研究は非常に公平性にかけたもので、キーズが最初に立てた仮説にぴったりと合う結果のみを利用したためなのです。
つまり、脂肪分摂取が少なく心臓病の率が低い国々と、脂肪分摂取が多く心臓病の率が高い国々のみを選んでグラフにしたために、まるで脂肪を多く取ることが心臓病の原因であるかのように見えるのですが、実際にあった全てのデータを見れば、脂肪分の摂取が多くても心臓病が非常に少ない国もあれば、脂肪分をあまり取らない文化の国でも、心臓病の発生率が高い国もたくさんあったのにもかかわらず、彼の仮説にそぐわないデータは全く利用しなかったのです。



左のグラフは キーズが発表したseven country studyというもので、彼の仮説にそぐった7つの国だけをグラフにしたものでこれを見れば脂肪を摂取が増えると同時に心臓病の数も増えるように見えますが、実際に他の国々の情報も合わせる(右のグラフ)と脂肪の摂取量と心臓病には殆ど因果関係がないことがわかります。

発表当時から、批判が多くあったにもかかわらず、この不公平な論文の結果のみが一人歩きしてしまったのです。その理由は、背後に、この結果が出ることによって、多大な利益を得る組織(おもに食品会社と製薬会社)がこの世に存在するからなのです。現在コレステロールがまるで悪者のように考えられている事実もここから始まったのです。

ここまでの内容を読めば、この記事のタイトルに反し、脂質を摂取することは悪くないと言っているようですが・・・そうではありません。

油には多くの種類があり、その中でいいものもあれば、悪いものもあるということなのです。

メディアや医療機関が避けるべきといっている動物性脂肪は本当は特に悪いものではありません。多くの方が驚かれるのですが、私が申し上げる悪い油とは、一般には体によいとされている、サラダ油、マーガリン、ショートニングといった加工された植物油のことなのです。

次回くわしく油の種類とそれぞれの特徴を説明します。

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