2010年7月14日水曜日

ポテンジャー博士の実験

ポテンジャー博士 (Dr. Francis Marion Pottenger, Jr.)の実験
ポテンジャー博士が猫を使って行った実験(1932年から1942年)は、大変有名です。900 匹の猫をふたつのグループに分け、ひとつのグループには生の自然な餌 (生ミルク、生肉) を与え、もうひとつのグループには、火を使って調理した餌(人間が飲むような殺菌された加工ミルク、火を通した肉)を与えるといったものでした。結果は以下の通りです。一つ目のグループは、何の問題もなく、数多くの猫は妊娠し、子猫がたくさん生まれ、どんどん数が増えていきました。一方で、火で調理し加工することによって、数多くの栄養素や、エンザイム(酵素)を失った餌を食べたグループは、一世代目から色々なアレルギー症状や内臓の障害が見られ(特にすい臓の肥大)、二代目になると、あごが退化し、癌、心臓病といった病気を患う猫が増え、三代目には、生殖器の衰えから流産や不妊になる猫が多くなりました。このように、エンザイムが含まれた食事を食べたグループとそうでないグループの違いは、明らかなものでした。
この実験は、人類に大きな警告を与えています。猫は生まれて一年足らずで子供を産めるようになるため、世代の交代がとても早く、3代、4代の世代を数年で観察することができます。この二つ目の猫のグループはまさに、現代人が経験していることの縮図ではないでしょうか。
今、多くの若者は、歯並びが大変悪く、親知らずがまともに生えてこない状態です。これはあごの退化であり、加工食品の食べすぎ(親の世代から問題は始まっている)からくるものです。さらに、糖尿病や心臓病といった生活習慣病を宣告される人が後を立ちませんし、若いカップルで不妊に悩むケースが大変多いことなど、私たちの身の回りで当たり前のように存在する事実です。
今、医療の最先端では、遺伝子にその原因や解決を求めて色々な研究が行われますが、“木を見て森を見ず”とは、まさにこの事ではないでしょうか。病気や死因の傾向は、過去100年の間に大きく変化しましたが、それは遺伝子が突然偶然に変化したためではありません。変わったのは生活様式です。遺伝子に答えを求める前に、真の原因である生活習慣を改めていくことが先決であると私たちは考えます。

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