一方で、さほど生活習慣を変えたわけではないのに、ここ数年足をつる頻度が増している場合は消化力の低下、特にタンパク質の消化、吸収が悪くなっていることが考えられます。なぜなら、足がつる原因の一つとされるカルシウム不足は、タンパク質不足から起こるからです(体に吸収される約半分のカルシウムはタンパク質が運び屋となって体の各組織に運んでいきます)。
肉や魚を食べていても、それらがきちんと消化、吸收されていなければ、体に十分なタンパク質を供給することはできませんし、同時にカルシウム不足にもなります。
カルシウム剤をいくら飲んでも、一向に骨粗鬆症が良くならないのは、これが大きな理由の一つです。
それから、もう一つ忘れてはいけないのが、マグネシウムです。マグネシウムは筋肉や神経をリラックスさせる働きがあります。緑の野菜やナッツには多くのマグネシウムが入っていますが、いくらマグネシウムをとっても、お酒を飲み過ぎていたり、炭酸飲料や、甘いデザートの食べ過ぎはマグネシウムの吸収を著しく妨げます。特にお酒の飲み過ぎは、マグネシウム不足を招きます。
解決策は、
- 十分なタンパク質とカルシウム、マグネシウムの補給
- 消化力を高める(よく噛むこと、麹菌由来の消化酵素を食前に摂ることは大変有効)
- 精白された炭水化物(パン、うどん、パスタ、白米、砂糖)を少なくする
- お酒を控える
- 野菜を多く摂る
- 水分補給
- 就寝前の軽いストレッチ
理想のカルシウム源としてあげられるのは、魚、頭からしっぽまで食べられる小魚、緑の野菜などです。市販の乳製品はかえって消化器官に負担をかけるので、お勧めできません。
マグネシウムは緑の野菜やナッツ類に多く含まれています。
マグネシウムは緑の野菜やナッツ類に多く含まれています。
また、妊娠後期によく足がつるのも、赤ちゃんがお母さんの体の中で成長していく過程の中で、タンパク質とカルシウムの摂取や消化が需要に追いつかない場合に出る典型的な症状です。「妊娠中はタンパク質をたくさん摂りましょう」ということは一般的にも言われますが、摂取量ではなく、タンパク質の消化がうまくいっていないことが原因であることが多いので、単に食べる肉や魚の量を増やしても解決されず、かえって他の問題(妊娠中毒症など)が出てくることもあります。
消化力低下を防ぐことは、夜中に足がつるのを防ぐだけではなく、ありとあらゆる病気の予防になります。消化力が低下してきているサインは、
- こってりしたものを食べると胃が重たい
- 肉をあまり欲さなくなった
- 年々甘党になっている
- 疲れが取れない
- 睡眠の質が落ちた(夜中に目がさめると、なかなか眠れないなど)
胃腸の調子が悪いと感じた時に、胃酸を抑える薬を飲んでいる場合は更に問題が深刻化していきます。なぜなら、胃酸はタンパク質消化に無くてはならない物質だからです。胃酸なしでは、カルシウム、マグネシウム、タンパク質すべての消化吸収が妨げられます(このことに関しての詳しい説明はこちらをどうぞ)。
足がつるということは、体の中の必要な栄養素が足りていないもしくはバランスが崩れていることを示しています。放置せずに根本的な解決を行うことをお勧めします。
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7/1/2012 Revised
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