事前消化って何?
牛や山羊などが複数の胃を持っているのをご存知ですか?これらの動物の一つ目の胃では、消化酵素や胃酸は全く分泌されません。草をよく噛むことにより、草に含まれるエンザイムが解き放たれ、そのエンザイムによる草自体の消化が一つ目の胃の中で行われます。これを事前消化と呼びます。しっかりと事前消化をした後で2つ目、3つ目の胃に送り込むことで、消化に費やすエネルギーや栄養素の浪費を防いでいるというわけです。
人間には胃袋は一つしかありませんが、実は事前消化は人間の体の中でも行なわれています。人間の体は、口から入った食べ物が胃に送られてから、若い方で30分、年配の方であれば45分間は胃酸を分泌しません。この時間は、食べ物に含まれるフードエンザイムによる事前消化のための、牛や山羊などの一つ目の胃と同じ働きをしているのです。本格的な消化は、事前消化で食べ物がある程度分解された後に始まります。
事前消化が適切に行われるためには、①よく噛むこと、そして②食べ物の中にフードエンザイムが含まれていること、の2つが必要となります。
事前消化の時点で、炭水化物の6割、タンパク質の3割、脂質の1割は分解することが可能です。事前消化がしっかりと行われていれば、体は足りない分だけの消化酵素を作れば良く、小腸、肝臓、すい臓などの消化臓器にかかる負担を大幅に軽減することができます。これが本来行われるべきである、一番自然な消化の流れです。
しかし、現代人の食事には、フードエンザイムが著しく欠けています。事前消化はほとんど行われないため、大半の食事は未消化のまま小腸に送られ手しまい、すべての消化を胃、小腸、すい臓に押し付けているのです。消化、吸収、排泄を行うために体は多大なエネルギーと栄養素を消費します。食後、仕事の能率が落ちたり、眠たくなるのはこのためです。
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