2013年3月31日日曜日

美しい肌を作るための栄養素、その7  ビタミンE

ビタミンE

ビタミンEは脂溶性のビタミンで、肌を外の環境から守る皮脂は、ビタミンEを多く含むものを食べることによって作られます。ビタミンEは抗酸化物質で、抗炎症作用もあります。活性酸素によるダメージから肌を守るために、大変有効な栄養素といえるでしょう。また、グルタチオンの生成を助ける役目もあり、抗酸化の働きをさらに強めます。十分なビタミンEの摂取は肌の炎症、老化、紫外線からのダメージを防ぎ、皮膚がんのリスクを下げるとも言われています。

炎症の元となるアラキドン酸の生成を抑える作用もあるため、アトピー性皮膚炎や乾癬などの炎症を伴う肌の問題にも有効です。

ビタミンEを多く含む食材はブロッコリ、アスパラガス、ケール、メキャベツ、アーモンド、ほうれんそうなど。これらの食材を油と一緒に食べることによってビタミンEの吸収が良くなります(ビタミンEは脂溶性のビタミンだから)。
サラダオイルにも含まれていますが、サラダオイルは私は勧めません。

多くのマルチビタミン剤にはビタミンEが含まれていますが、これもわたしは勧めません。ビタミンCの記事でも述べましたが、ビタミン剤に含まれるビタミンEはほぼ100%アルファ・トコフェロールといわれる化学物質で、自然な食材に含まれるビタミンEのほんの一部の要素に過ぎません。このような不完全な形の化学物質を長期的に摂取すると、がん、心臓病のリスクが上がるといわれています。安価なサプリメントはかえって害をもたらすということです。一物全体食から摂取することが基本です。


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2013年3月29日金曜日

美しい肌を作るための栄養素、その6 硫黄 

硫黄

硫黄という言葉を聞くと、連想するのは温泉、卵などではないでしょうか?しかし、栄養素として硫黄が大切であることはあまり語られることがありません。

硫黄には肌を健康に保つだけではなく、体全体の健康を保つ上で重要な役目を果たしています。

ビタミンCと同じく、硫黄は健全な肌の元になるコラーゲンの形成に無くてはならない栄養素です。コラーゲンが正しく形成されることによって、肌がみずみずしく、はりがある状態を保つことができます。逆に、コラーゲンが足りないと、しわが多くできてしまいます。

また、硫黄は強力な抗酸化物質であるグルタチオンが体内で作られる過程でなくてはならない栄養素でもあります。活性酸素からのダメージから体を守るのが、抗酸化物質の役目ですが、抗酸化物質が十分にないと、活性酸素によってDNAが傷つけられ、結果、老化現象が進んでしまうのです。グルタチオンには炎症を深いかかわりのあるプロスタグランジンという物質をコントロールする作用もあり、この面からも肌の健康に大きく貢献するといえるでしょう。

硫黄を多く含むも食べ物は、卵、肉、魚といった動物性のものと、にんにく、たまねぎ、メキャベツ、ケールなどの野菜にも含まれています。

硫黄を含むアミノ酸はメチオニンやシスチンで、動物性のものに多く含まれています。

一般的に、野菜や果物を多く食べ、肉や油ものを避けることが健康食のように思われていますが、それは大きな間違いです。野菜や果物は確かに大切ですが、肉や油も同様に大切なのです。

年配になっても、はつらつとしている人は、胃腸の問題が無く、肉や油ものをペロッとたいらげてしまうタイプの人です。かつて、金さん、銀さんの娘さんたち(みんな長生きをしている)のインタビューで、好物は何かと聞かれ、みんな声をそろえて”肉が好き”とおっしゃっていたのを思い出します。肉や油は、タンパク質、アミノ酸、脂肪酸だけではなく、ビタミンやミネラルの宝庫なのです。

肉や油が敬遠されるのは、胃腸が弱っているために、肉や油が適切に消化吸収できず、そこから栄養素を吸収するどころか、かえって胃もたれ、胸焼け、便秘、下痢といった体の不調を感じるからです。ですから、肉や油からの栄養素を100%活用するためには、よく噛むことや、食前に消化酵素を摂ることは非常に有効なことなのです。

余談ですが、
温泉につかることやグルコサミンやコンドロイチンの摂取が関節に良いのはそれらに含まれる硫黄成分が主な理由です。
コラーゲンは肌の健康だけではなく、関節の健康にも不可欠で、先に述べましたように、コラーゲンの形成に硫黄が必要だからです。関節痛みに関する記事はこちらをどうぞ


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2013年3月27日水曜日

美しい肌を作るための栄養素、その5 ビオチン

ビオチン

ビオチンは別名、ビタミンHまたは、ビタミンB7と呼ばれる水溶性のビタミンです。脂肪酸の代謝と深い関わりがあります。肌は常に外の環境にさらされ、ダメージ受けやすいため、肌細胞は頻繁に入れ替わります。その中で脂肪酸は肌を外の環境から守るため、また保湿のために、大変重要な役割を果たしています。ビオチンが十分に供給されていない場合、脂肪酸の代謝が正常に行われなくなり、肌を守ることができなくなってしまいます。

ビオチンが欠乏すると毛が抜けたり、口の周り、顔面、頭皮等が赤く炎症を起こします。また、頭皮がドライになり、ふけの原因ともなります。

ビオチンは基本的に腸内バクテリアが作ることができるので、正常な腸内環境がある場合は心配する必要はありませんが、私の経験上、正常な腸内環境を持ち合わせている人は少ないように思います。

ビオチンを多く含む食材の代表は卵の黄身とレバーです。しかし、生卵の白身の部分はビオチンの吸収を妨げるので、卵を食べる時は、少し火を通したほうがよいでしょう。

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2013年3月25日月曜日

美しい肌を作るための栄養素、その4 必須脂肪酸 オメガ3

オメガ3

オメガ3とは必須脂肪酸と呼ばれるもので、ビタミンCなどと同じように体内で作ることができないため、食べ物から摂取しなくてはいけません。オメガ3にはすばらしい抗炎症効果があります。

必須脂肪酸にはオメガ6というのもありますが、現代日本食では加工食品やサラダオイルの摂りすぎで、オメガ6の過剰摂取になっている傾向があります。オメガ6の過剰摂取は体全体に炎症を引き起こす大きな原因です。オメガ6とオメガ3の摂取量比率を悪くても4対1、できることなら2対1にすることができれば、全身における抗炎症効果が期待できます。ちなみに、加工食品や、サラダオイルを多用する現代食ではではオメガ6とオメガ3の比率は10対1といわれています。

炎症は肝、腎,胃、関節、脳、髄膜、などの病名からもわかるように病気と深い関わりがあります。肌の問題も決して例外ではないのです。

一般的に西洋医学では炎症がある場合は抗炎症剤を処方します。ステロイド剤はその中でも、最も強い薬で、炎症を直ちに鎮めることができますが・・・・問題は、根本的な解決には全くなっていないということなのです。免疫力を下げる副作用があることも勧められない理由です。

炎症はそもそも痛んだ組織を修復する過程であり、体にとって大切な機能なのです。無理やり押さえ込まず、体が速やかに修復できる環境を整えてあげることが重要なのです。その過程においてオメガ3は必要不可欠な栄養素なのです。

オメガ3は炎症を引き起こすアラキドン酸の働きを抑え、炎症を減少させることによって、にきび、アトピー性皮膚炎,乾癬、酒さ、肌のかゆみ、肌の赤み、紫外線によるダメージなどの問題から肌を守ります。

オメガ3を多く含む食べ物は亜麻仁油や魚の油です。私はたらの肝油をサプリメントとして勧めています。しかし忘れてはいけないのは、オメガ3がいいのではなく、オメガ6とオメガ3の比率が4対1から2対1であることが重要なことです。現代の典型的な日本食では、オメガ6が摂りすぎになる傾向があります。意外と思われるかもしれませんが、オメガ6の摂取量を減らすために、最も避けるべき食品は加工食品(インスタント食品、コンビニ弁当、冷凍食品などなど)とサラダオイルです。油に関する情報は、シリーズで書いた以前の記事を参考にしてください
Fermented Cod Liver Oil
P.S.
亜麻仁油よりも肝油を勧める理由は・・・
亜麻仁油は植物ですので、オメガ3は入っていますが、DHA,EPAを含んでいません。DHAやEPAは体内で、オメガ3脂肪酸を原材料とし作る事ができますが、効率はあまりよいといえません。それよりも動物性で自然にDHA, EPAを含んでいる肝油を勧めます。また、脂溶性ビタミン(特にビタミンAとD)を多く含む発酵たらの肝油はスーパーフードといえるでしょう。


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2013年3月22日金曜日

美しい肌を作るための栄養素、その3 ビタミンC


ビタミンC

ビタミンCはコラーゲンが体内で造られるときに無くてはならない栄養素です。ビタミンCが重度に欠乏すると壊血病という病気になりますが、壊血病の初期症状の一つは、肌が非常にドライになることです。また、歯茎からの出血や、疲労感、傷がなかなか治らない、すぐに風邪を引いてしまったり、といった事なども典型的な症状ですが・・・・そのような症状を訴える人は周りにたくさんいますよね!そのような方はビタミンC不足をまず疑ってみてください。
ビタミンCを十分に摂取することによって、肌の健康が改善されるという結果を出したリサーチはたくさんあります。特に、しわの予防、紫外線からの保護、保湿効果などが期待できます。
現代日本において、壊血病に至るほどの重度のビタミンC欠乏に陥ることはあまり無いようですが、慢性的に必要量を大きく下回っているケースは多々あるように感じます。とくに、新鮮な野菜や果物を日ごろから摂取していない人はその傾向があるように思われます。

ビタミンCを多く含む食材は

  • 緑黄色野菜
  • 柑橘系の果物
  • バジル、パセリ、パクチーなどのハーブ
  • ジャガイモ(以外ですが・・・)
ビタミンCは熱に弱いため、手早く炒めるか、生で食べることが栄養素を最大限に利用するコツです。

ここで、人工ビタミンと自然な食べ物に含まれるナチュラルビタミンの違いについて、少し話しておきましょう。

厚生労働省でビタミンCはアスコルビン酸のことであると規定されています。

通常、サプリメントに入っているアスコルビン酸は野菜や果物から抽出したものではなく、工場で生産された化学物質が使われています。しかし、化学物質の極度に純粋なアスコルビン酸と新鮮な生の野菜や果物に含まれる自然なビタミンCでは多きな違いがあります。自然なビタミンCにはアスコルビン酸以外にP, J, K factors, tyrosinase, bioflavinoid complexes などが含まれています。アスコルビン酸は枠のようなものなのです。ですから、アスコルビン酸しか含まないビタミンCはまるで空っぽの箱のよな物なのです。

下の図を見ていただければよくわかると思いますが、人工ビタミンと自然のビタミンでは大きな違いがあります。

実際、ビタミンCの欠乏症で起こる壊血病は人工ビタミンCでは治療することができません。

人工ビタミンが使われているのはビタミンCだけではありません、一般に販売されているサプリメントの多くは、人工ビタミンです。そのようなサプリメントで本来食事から摂れる栄養素をまかなうことはできません。





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2013年3月20日水曜日

美しい肌を作るための栄養素、その2 亜鉛 


亜鉛

亜鉛は肌の形成過程において必要不可欠な栄養素の一つです。数多くある亜鉛の働きの中でも最も重要なのは、亜鉛が血中でビタミンAを運搬する働きがあるということでしょう。(ビタミンAに関しては前回の記事をどうぞ

しかし残念ながら、現代人は非常に亜鉛が不足しているといわれています。

亜鉛は40種類以上のの酵素が正常に働くために無くてはならない補欠分子族といわれるものです。多くの代謝酵素が正常に働くための補酵素として亜鉛を必要としています。

その他、傷の修復、DNAの形成、細胞分裂、抗炎症作用、紫外線からの保護などにも欠かすことの出来ない栄養素です。

亜鉛が不足している時の自覚症状としては・・・


  • 抜け毛
  • 味覚障害
  • 股関節の痛み
  • 食欲減退
  • 免疫力の低下
  • 足がくさい

亜鉛を多く含む食材は・・・
  • レバー
  • 牛肉
  • 羊の肉
  • オイスター
  • 貝柱
  • 貝類全般
  • ナッツ類

亜鉛が不足する理由として一番にあげられるのは、近代農業が化学肥料を使いすぎ、一種類のものを大量生産してきたことなどによって土地が疲弊してしまったことです。

また、穀物(シリアルや玄米)に含まれるフィチン酸を摂取することによって、亜鉛の吸収が妨げられています。


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2013年3月14日木曜日

美しい肌を作るための栄養素、その1 ビタミンA



皮膚科の医者にかかっても食事の改善に関しては、あまり語られることはありませんが、綺麗な肌の一番の秘訣は食事にあります。 ニキビ、吹き出物、酒さ(ロザケヤ)、乾燥肌、シワなどに悩まされる人が多くおられますが、根本的な問題は食事にあります。高価なクリームや薬を飲んでも効果がイマイチもしくは一時的と感じるのは、根本的な原因が取り除かれていないからです。
肌の状態は体全体の状態の鏡写しとも言えます。 ですから、肌の改善のために食事を見なおせば、ボーナスとしてすべての健康面が改善されます。

まず今日はビタミンAについて説明します。
ビタミンAはレチノールと言われる栄養素で、健康な肌を作るためには最も重要な栄養素といえるでしょう。
ビタミンAは表皮の細胞が正しく形成されることを促し、脂肪腺からの分泌(ニキビの原因となる)を抑制します。また、ホルモンの過剰分泌を抑えます。(性ホルモンが出すぎてしまう事によって肝臓に負担がかかります。その時、同時に活性酸素が大量に発生します。それがニキビや吹き出物が生理前に出る最大の原因となっています)。

ビタミンAが不足すると肌の潤いがなくなり、乾燥肌、鮫肌といった状態になります。
ビタミンAと言えば、人参やトマトと思われる方が多いと思いますが、実は人参やトマトに含まれる栄養素はカロチンと言って、ビタミンAの前駆体であり、体内でビタミンAに変換される必要があります。変換がスムーズに行える人は人参やトマトを食べることによってビタミンAを形成することができますが、この変換率には個人差があります。特に小さい子供や糖尿病の人はこの変換がうまく出来ません。
一番効率がいいのは、すでにビタミンA(レチノール)を含むものを摂取することです。それらの食材は、レバー、たらの肝油、有機バター、有機卵の卵黄、有機鶏肉(特に皮の部分)。私どものクリニックではたらの肝油を薦めています。たらの肝油にはビタミンA以外にも肌に大切な栄養素が多く含まれています。

つまり、動物性の食べ物なんです。動物性の食べ物には大切な栄養素が多く含まれています、しかしその栄養素を利用できるかどうかは、消化、吸収力、解毒力によって左右されます。ですから、消化、吸収、解毒がうまく出来ない人は、いきなり肉や脂を食べ始めると、体調がぐずれてしまうケースが多々あります。このことをどうか忘れないようにしてください。消化に関してこの記事をどうぞ読んでください


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