1970年代に予想された世界的人口の急増と食糧不足に対応するという大義名分のもとで、ミネソタ大学の教授が中心となって小麦の品種改良が進められて来ました。遺伝子組み換えがなされたこの小麦は、現在世界で消費されている小麦の99%を占め、でんぷん質が多く、また消化されやすいという特徴を持っているため、砂糖よりも血糖値を急激に引き上げます。 急激に上昇した血糖値に反応して、すい臓から大量のインスリンが分泌されるため、低血糖症を引き起こします。小麦の消費量が増えたことと、小麦自体が変えられてしまったことで、慢性的なインスリン抵抗、低血糖症、アドレナルファティーグが蔓延し、肥満、糖尿病、心臓病などを引き起こす根本的な原因となっています。
小麦に含まれる成分の中にグリアディン(グルテンの中に含まれる麦タンパクの一種)というものがあります。グリアディンはセリアック病の人は避けなければいけませんし、体全体の免疫機能を狂わす可能性があります。最近の研究では甲状腺機能低下症である橋本病(自己免疫疾患の病気で、診断が難しく、見逃されているケースは非常に多いのではないかと私は考えています)にも深いかかわりがあるとされています。また、グリアディンは過食を引き起こす特徴もあります。
さらに、小麦の中には小麦胚芽レクチンというものが含まれており、この成分は非常に胃腸にとって有害であり、胸焼けを引き起こしたり、胃腸を過敏にしてしまい、炎症を体中に引き起こす原因にもなります。
それでは、すべての人が小麦を100%避けなければならないかというと、そういうわけではありません。100%避ける必要があるのは、”グリアディン不耐症”の人で、セリアック病やグリアディンに対して抗体がある人です。つまり体内でグりアディンをうまく処理できないということです。
多くの方(一般の医者も含め)は”グリアディン不耐症”を胃腸だけの問題と捉えていますが、そうではなく、多くの自己免疫疾患病、関節、肌、脳などへの悪影響があるということも最近のリサーチでわかりつつあります。グリアディンに対する抗体があるかは検査で調べることが可能です。
グリアディンの不耐症がないとしても、小麦製品をいくら食べてもいいというわけでは決してありません。先にも述べましたように、血糖値を不安定にするため、食べすぎの弊害は計り知れないものがあります。ご存知のように、現代の日本食は小麦だらけです。病人が多いのも全く不思議ではありません。
アメリカにおいて小麦が悪いのはずいぶん認識されるようになって来ましたが”全粒のものであればミネラルや繊維が残っているから健康だ”と主張する人もいますが、まさにこれは50歩100歩で、どっちにしても食べすぎはよくありません。
何をやってもなおらない関節の痛みや、肌の問題も、小麦を食べるのをやめることによって、うそのようによくなった方は、私どもの患者様でも少なくはありません。
私どものクリニックでは年に2回、3週間デトックスを行うことを全員に勧めています。このデトックスプログラムでは肝臓や胃腸のクレンズが出来るだけではなく、小麦製品を全く食べないことによって、どれだけ小麦に反応していたのかをしらべるいい機会にもなります。3週間のデトックスをするのは少しハードルが高いと感じる場合は、2週間の小麦除去食をするのもいいかもしれません。小麦に反応しているかどうかは最低でも2週間は避ける必要があります。
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