2014年5月30日金曜日

あなたはグルテンを避ける必要があるかもしれない!!!

アメリカではグルテンに関する意識が過去10年ほどで急速に高まってきています。その原因はグルテンに対してアレルギー反応を起こす人が増えてきているからです。

巷のスーパーマーケットではグルテンを含まない食材の特別コーナーが設けられるようになり、グルテンフリー(グルテンを含まないと言う意味)と書かれた食品を頻繁に見かけるようになりました。

グルテンとはラテン語では“接着剤”と言う意味です。グルテン成分は麦類の植物の多くに含まれており、小麦に水を混ぜるとねばねばした感じになるのはグルテンによるものです。

どうしてグルテンにアレルギー反応を起こす人が増加しているのか?

理由はいくつか考えられています。

1.遺伝子組み換えの食品が増えているから。
2.抗生物質の多用などが原因で腸内細菌のバランスが崩れたり、甘いものの食べすぎからカンジダ菌が腸内で増得ている。また、加工食品の食べすぎや、生活習慣の乱れから、胃腸の炎症がおき、リーキーガットになっているから。
3.アメリカで作られている小麦のほとんどが交配技術により以前よりも多くのグルテンを含むから(小麦自体は遺伝子組み換えではありません)。ちなみに日本で消費されている小麦の80%はアメリカからの輸入です。
4.加工食品に小麦が多く使われているから。菓子類、ソース類やスープなど、ありとあらゆるものに、多様な用途で使われています。
5.遺伝子的理由から。

グルテンは小麦だけに含まれているのではありません。スペルト小麦、大麦、ライ麦などにも含まれています。また、グルテンは食品だけではなく、シャンプー、コンディショナー、化粧品、口紅、薬、サプリメント、切手や封筒の、のりの部分にも使用されていることがあります。

グルテンアレルギーの症状は必ずしも胃腸や消化器系のものとは限りません。頭痛、関節の痛み、頭のもやもや、などもグルテンアレルギーのよくある症状と言えるでしょう。

グルテンアレルギーがあるかどうかどうやって調べるのか?

グルテンにアレルギーがあるかどうかを調べる方法として、血液検査、唾液検査、検便などあります。CYREX(https://www.cyrexlabs.com/)というラボがあり。このラボが行うグルテンアレルギー検査が今現在存在する最も正確な検査方法とされています。しかし、いかなる検査よりも、グルテンを完全に生活の中から2ヶ月ほど排除し、その後もう一度グルテンを摂取した時にどのような症状が出るかを調べるのが、やはり一番確実で正確な手段です。

この除去食を試した方の多くは、体重が減り、肌の調子がよくなり、花粉症の症状なども改善される傾向があります。大半の人は、除去食後にもう一度グルテンを摂取しても、アレルギー反応を如実に感じることはありません。しかし、このようなケースでもグルテンに反応していないとは、決して断言できませんが、まだ今のところは、少量であれば小麦製品などを摂ることは問題はないのではないでしょうか。

たとえグルテンアレルギーではなくても小麦のような穀物を多く摂取することは、血糖値を不安定にさせ、多くの健康問題を引き起こす原因になります。

一方、約1割ほどの人は、除去食後グルテンを再摂取したときに、反応していることを明らかに感じます。症状としてはよくあるのは、体がむくむ、体中腫れあがる様な感じがする、肌の調子が悪くなる、集中力が低下する、関節が痛い、胸やけがする、頭痛がする、疲労感が出る、などなど。

グルテンに反応していることが判明したことは、彼らにとって除去食を行った大きな収穫であったと同時に、これからどのようにグルテンと付き合っていく必要があるのかという大きな問題提起がなされたことになります。現在の日本の状況では、グルテン、特に小麦製品を完全に避けることは、至難の業です。


グルテンアレルギーが判明した!ではこれからどうすればよいのか?

グルテンアレルギーは上記に述べた、諸症状だけではありません。現在グルテンに関する研究が世界的に行われるようになってきていますが、グルテンが及ぼす、体への影響は計り知れないものがあります。

今現在の研究リポートによれば、グルテンは自己免疫疾患に深い関係があることが理解されるようになりました。例えば、橋本病(日本女性の10人に1人は橋本病といわれています)は特にグルテンと深い関係があります。未消化のグルテンが腸壁を通り抜け(リーキーガットがある場合に起こります)体内に侵入した時に、体内では未消化のタンパク質(グルテンはタンパク質です)は異物とみなされ、自己免疫が攻撃し始めます。そのときに甲状腺の組織が同時に攻撃を受けてしまうことがあるのです。なぜなら、グルテンと甲状腺の組織が非常に似ているからです。

免疫機能が物質を判別する基準はアミノ酸の並び方だそうです。リュウマチ熱で心臓などのほかの部位が損傷するメカニズムと同じようなものと考えられています。

また、グルテンは小脳の組織とも似ているため、小脳がグルテンを摂取することによって攻撃を受けることもあり、その病気のことをアタキシア(日本語では失調)とよび、グルテンが原因になるえることはずいぶん前から理解されている事実です。
つまり、グルテンに反応している人が、気づかずに摂取し続けることは大変危険なことなのです。

グルテンと付き合っていく上で、重要な点

1.腸壁の状態を最善の状態に保つこと。リーキーガットを修復すること。(リーキーガットに関しては以前のブログを参照にしてください
2.グルテン(タンパク質から出来ている)を完全に消化すること。グルテン消化にはDPP-IVという酵素が必要になりますが、グルテンアレルギーの人はこの酵素が体内でうまく製造されません。DPP-IVはいまサプリメントで摂取することが出来ます。しかし、DPP-IVをとっているからといって、パンやパスタを好きなだけ食べられるわけではありません、基本的に避けながら、やむを経ず、またはたまたま混入している程度であれば、この酵素で消化することが出来ます。私の患者様でも、この酵素に助けられている人は多くいます。
3.穀物全般(米、コーン、あわ、ひえ、大豆など)乳製品を避けるようにする。これらの食材はグルテンと似た物質がふくまれているため、ここでもまた、免疫機能が勘違いしてしまう可能性があるのです。

まとめとして
グルテンに関する情報や意識はこれから日本でも必ず高まってきます。今、日本ではアメリカの食生活と変わらないほど小麦の消費量があります。周りを見渡しても、小麦が原材料の食品は数多くあります。うどん、パスタ、パン、ラーメン、ソーメン、焼きそば、天ぷらなどの揚げ物のころも、お好み焼き、ケーキ、クッキー、菓子パン。。。。挙げればきりがありません。

日本人よりも長く小麦を消費してきた、アメリカ人は日本人よりもいち早く、グルテンによる健康問題が発症し、今この問題をどのように解決していくか、模索中です。

残念なことに、アメリカのグルテンフリーの商品は必ずしも健康なものとはいえません。ただ単に、グルテンを含まないというだけで、他の穀物を多く含み、小麦のような味と食感を出すために、色々な添加物が足されています。日本が同じ間違いを繰り返さないことを願います。。


私が考える、本当の解決は、加工食品を摂取することをやめること、ストレスを軽減することです。また台所で費やす時間を増やし、素材から料理をすることをもう一度始めることではないでしょうか。そうすれば、胃腸も回復し、少々の小麦製品を食べても、びくともしない体にすることができるのではないでしょうか。

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